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「ヴァルキュリア戦記」12 [Stellaris AAR]

対オクシナベラ戦争(2274~2276年)

1.新米提督、着任
 オクシナベラ-クリサッカン同盟に宣戦布告する直前の、2273年12月13日。盛り上がる戦争の気運に水を差すような不幸が、ヴァルキュリア宇宙軍主力アメジスト艦隊におとずれた。
 インルー=デン・ハロ提督が死去したのである。享年86歳。実戦に明け暮れたその生涯とは対照的に、穏やかな死だった。

 「ヴァルキュリア宇宙軍の母」と讃えられる英雄の跡を継いでアメジスト艦隊の指揮を任されたのは、なんと31歳の若すぎる将官だった。「プーレス=タル・ヤグ」という名の、特に目立った才能もないこの童顔の男が抜擢された背景には、先々代や先代と同様に「見る目がある」特性をほんの近年に獲得した今上帝キーアⅡ世による直々の指名があった。まだ齢40の若き女帝と、さらに一回りも若い男性提督という組み合わせに、不敬な廷臣たちは醜聞すらささやいたが、「あの男はきっとめざましく成長する」という絶対君主の断言に逆らえる者などいるはずがなかった。
20180915114924_1.jpg(若いので、あと半世紀は現役を続けてくれる。)

2.緒戦
 宣戦布告の直後、プーレス=タル・ヤグ提督麾下のアメジスト艦隊は、オクシナベラ領に侵攻した。まず惑星タザズ以下の周辺星系を押さえてから、最終的には敵首星系オクシナベラと首星オクシナクの制圧を目指す。
 同時に、やさぐれドルン=タル・オルン提督のガーネット艦隊が、南西航路を通って星間クリサッカン理事会へのはるかなる征途に向かっていた。駆逐艦8隻にコルベット12隻という正規の半分の戦力だが、クリサッカンは我が国と比較して悲惨な艦隊戦力しか有しておらず、ゼスイナクス同盟との交戦で手一杯と予想されるので問題ないだろう。ガーネット艦隊から引き抜かれた残り半分の戦力は、予備艦隊として本国に残されたのだ。
20180917033429_1.jpg(敵地まではすごく遠い。)

 開戦以前から我々はけいおん-ゼスイナクス連合と交渉して、連合軍とヴァルキュリア軍とのスムーズな情報共有システムを構築しており、我が国の戦線から遠く離れた他宙域での敵味方艦隊の動きも手に取るように把握できた。
 こちらのちょうど反対側からオクシナベラ領に侵攻中のけいおん艦隊からの情報によると、戦力評価値2500ほどのオクシナベラ艦隊が彼女たちの戦線に向かっているらしい。敵戦力の全容は不明だが、少なくともかなりの割合が対けいおん戦線に向けられていることを知った帝国艦隊司令部は、敵艦隊が来る前に星系占領を急ぐようアメジスト艦隊に指示した。
 たった1個連隊しか防衛陸軍がいなかった惑星タザズと、遮る敵がいない4星系が迅速に制圧された事を確認したヴァルキュリア政府は、さらにコーター・ロサンドラーの2星系の請求権を追加で主張。戦果の拡大をどん欲に図った。

3.横槍
 気が早い戦乙女たちが楽勝ムードに浮かれ騒ぐ、2275年11月8日。マローダー襲撃部隊がまたもや我が国に接近しているとの報告が入った。
 前回のヒャッハー星人テバゾイド略奪団とは違い、今回はツムバトル自由戦士団という、比較的ノリが重々しい蛮族のお出ましらしい。
20180915124215_1.jpg(見た目は愛らしい草食哺乳動物っぽい。)
 相変わらず、帝国軍情報部の諜報能力では、蛮族艦隊の規模も到着タイミングも探り出せなかったが、ツムバトルの本拠地もテバゾイドと同様に銀河北東縁部にあることから、侵攻ルートはおそらく我が国の北東方向から・・・意表をつくとしても同じ東側である南東方向からであると今回は推測できた。
 そのどちらのルート上にも、強固な防衛要塞が存在するのだ。さらに、こういう不測の事態を勘案して本国に残してあった予備艦隊もいる。前回とは違い、ヴァルキュリアは無防備ではないのである。
 さらに万全を期すべく、帝国軍司令部は予備艦隊の緊急増強を指示するとともに、現在ガーネット艦隊を率いてはるか南西航路を突き進んでいるドルン=タル・オルン提督を急きょ呼び戻して、本国防衛の指揮を執らせることに決めた。
 まだ一度も実戦経験がないまま60代になってしまっていた無気力なトリックスターは、ようやく巡ってきたこの大任にまさに有頂天となった。継続してクリサッカン領へ向かうガーネット艦隊の幕僚たちに簡単な指示だけを言い残すや高速連絡艇に飛び乗り、ロクな護衛艦艇もつけぬまま
本国への帰路についたのである。 

4.艦隊決戦
 そんな横槍をよそに、オクシナベラ領内では大規模な艦隊戦が、立て続けに起こっていた。

 2276年1月には、オクシナベラ南部トラッピスト星系にて、神田忠雄提督が率いるけいおん軍主力の「第壱無敵艦隊」と、オクシナベラのヴァクス提督ら「チクラッシュ星間狩猟団」が激突。
 数でも質でも上回る第壱無敵艦隊が、危なげなく敵を撃退した。
20180915124628_1.jpg(けいおん艦隊将官の白い軍服がまぶしい。)

 その翌月、2276年2月。我らがアメジスト艦隊は、とうとう敵首星系オクシナベラへ続くハイパーレーンに突入していた。
 本拠地の危機を察知していたオクシナベラ軍も、実に14隻におよぶ多数の駆逐艦と、コルベット2隻をここに集結。宇宙港に配備された防衛プラットフォーム6基と合わせると、アメジスト艦隊といえどもだいぶ手強い戦力となっていた。
 自分たちの艦船と技量に絶対の自信を抱くアメジスト艦隊の将兵にとって、唯一の懸念は新米提督の実力であった。だが、まだ2年に満たない短い初陣の中で、プーレス=タル・ヤグ提督は早くも新たな才能を開花させていた。先代の故インルー=デン・ハロ提督が晩年に習得していた、長距離センサー運用技術である。
20180915124323_1.jpg
 キーアⅡ世陛下の人を見る目は、本物だったようだ。

 2276年、2月25日。オクシナベラ星系艦隊戦が開始された。
 勇猛果敢に前進するヴァルキュリア軍の「リトルバード級」駆逐艦10隻に対して、数で勝るものの性能と練度で劣る敵駆逐艦14隻は守勢に回った。そこを快速のコルベット群17隻が殺到して、相手に宙間魚雷の斉射を浴びせた。
 6隻の駆逐艦が轟沈したことに激しく動揺したオクシナベラ艦隊「ゾアーティッシュ星間狩猟団」は、明確な指揮官が不在だったことも災いしてか、半数以上の戦力がまだ健在なうちから、なんと首星系を見捨てて緊急ワープ離脱!
 だが、残されたオクシナベラ宇宙ステーションと防衛プラットフォーム群が、艦隊とは打ってかわった頑強な抵抗を見せた。すでにかなりの損傷を受けていた駆逐艦2隻が離脱できずに轟沈し、油断したコルベット1隻が直撃弾を受けて爆散した。
20180915125323_1.jpg(↑ヴァルキュリア艦の中口径X線レーザーをシールドで防ぎながら、それぞれ4つの2連装プラズマ投射砲で応射するオクシナベラ防衛プラットフォーム6基。ちなみに画面左端奥に見えるのは巨大ガス惑星ジシュト。)
20180915125443_1.jpg(↑恒星オクシナベラを背景に、宙間魚雷の斉射を行うフェアリー級コルベット。画面下端には、紫外線レーザーの青い閃光を放つリトルバード級駆逐艦も見える。)
20180915125912_1.jpg(↑敵ステーションに取り付いて包囲攻撃を行うアメジスト艦隊。緑色の閃光は、ドルン=ウプ・クーヌ博士が開発した新兵器「X線レーザー」。)

 2276年4月27日。2か月の激闘の末、ヴァルキュリア神聖帝国はオクシナベラ星系艦隊戦に勝利した。
 
 
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