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「ヴァルキュリア戦記」6 [Stellaris AAR]

対ミッリア星域戦争(2253~2255年)

1.大いなる哀しみ
 ついに始まった初の征服戦争に、ヴァルキュリア全土の臣民は身分の貴賤を問わずに熱狂していた。戦乙女とは元来好戦的な種族である。政治と経済を知る貴族たちは征服によって得られるであろう利権に舌なめずりをし、そんな見識を持ち得ぬ無知な奴隷たちも自分らが偉大な帝国の一部であることを実感して言い知れぬ興奮に酔いしれていた。
 だが、戦争が始まってほんの3か月しか過ぎていない、2253年4月。ヴァルキュリア神聖帝国は大いなる哀しみに包まれることになる。

 女神帝ブリュンヒルデが崩御したのである。享年85歳の早逝であった。
 脅威と危険に満ちた広大なこの銀河に果敢に羽ばたく戦乙女たちを、半世紀以上も厳かに見守り続けた偉大な名君の崩御に、4つの惑星に生きる民間人はおろか、敵地で戦う将兵までが涙を禁じえなかった。
 だが、すぐさま神皇女ラトゥが、第2代女神帝ラトゥⅠ世として即位すると、帝国臣民たちはそれぞれの胸に再び闘志を燃え上がらせた。すでに76歳という高齢の新帝であるし、母君のような老獪さはついに身につかなかったようだが、その代わりに生まれついてのカリスマ性を備える仁君である。
ラトゥⅠ世の即位.jpg(お顔は母君に瓜ふたつ。)
 ヴァルキュリア神聖帝国は、新世代を迎えたのだ。

2.快進撃
 新帝ラトゥⅠ世の号令の下で進撃するヴァルキュリア軍は、ろくな抵抗も受けないまま、わずか7か月でミッリア星域の首都惑星が存在するミッラク星系へと到達した。
 けいおん部の艦隊と地上軍がミッリア星域領の北部各地に展開しており、ミッリア主力艦隊はそちらに誘引された挙句に、すでに撃滅されてしまった為だと考えられる。
 ミッラク星系に残されていた防衛戦力も、わずか6隻のコルベット艦と貧弱な宇宙港だけであり、駆逐艦10隻とコルベット30隻で編成されたインルー=デン・ハロ提督が指揮する「アメジスト艦隊」が瞬く間に撃滅した。
2253年8月ミッラン星系会戦.jpg

 翌年2254年2月には、インルー=タル・グン将軍が率いる地上軍が、敵主星である惑星ミッリアに降下を開始。首都を防衛する陸軍はわずか2個連隊のみで、奴隷兵とはいえ精強で名高い戦乙女の大軍の前にはまさに多勢に無勢! あっけなく陥落した。
惑星ミッリア降下.jpg

 主星を脱出したミッリア星域の首脳部は、残る星域に逃亡して徹底抗戦を宣言。
 我が軍は彼らの事は放置して、請求権を主張している他の星系と惑星を占領すべく、艦隊と地上軍を差し向けた。ヴァルキュリアとしては、それらさえ確保できれば、もう戦争を続ける意味はないのである。後はけいおん部に任せて、さっさと手を引くことができる。
 惑星ミッリア陥落の報を受けた女帝ラトゥⅠ世と宮廷の取り巻きたちは、早くも戦勝ムードに浮かれ始めていた。
 だが、意外な脅威の登場が、その浮かれた横っ面を手ひどくひっぱたくことになる。

3.蛮族の襲来
 2254年7月。帝国軍情報部からもたらされた緊急報告に、ヴァルキュリア首脳部は激震した。
テバゾイド襲撃部隊.jpg
 テバゾイドとは、以前に紹介したツムバトル自由戦士団と同じく銀河の東端に巣食うマローダー氏族である。こちらは容貌も言動もかなりワイルドな種族で、北斗神拳を叩き込んでやりたくなる憎らしさだ。
20180913081759_1.jpg
 我々は彼らと対話を試みたものの、威嚇の言葉を一方的にまくしたてられただけで通信を切られてしまった。「ずいぶんと恨みを買っているようだナァ!」という彼らの物言いから、主星を失ったミッリア星域の逃亡政府が起死回生の一手として根回ししたのではないか?という疑惑がもたれた。しかし、黒幕が誰にせよ、すでに動き始めたこの脅威を防ぐ手段はもはや艦隊戦しかない。
 残念なことに、帝国軍情報部が察知できたのは、テバゾイド襲撃部隊が我が国に向かってきているという事実だけであり、その艦隊規模も、侵攻ルートも、到達タイミングもまったく不明である。

4.蛮族対策会議
 ラトゥⅠ世が急ぎ招集した緊急対策会議では、ミッリア星域と即時停戦して全軍を自国領内に引き戻すべきという意見が大勢を占めた。だが、敵地奥深くまで侵攻している艦隊の帰還が間に合う保証はどこにもなく、たとえ間に合ったとしてもヴァルキュリア帝国の現戦力で精強と名高いテバゾイド艦隊に対抗しうるかは謎であった。
 それならばいっそのこと、テバゾイドによる自国領内の蹂躙は甘受してしまって、その代わりにミッリアから多くを奪うことに注力した方が、最終的な国力の増大をもたらすのではないか? そんな打算的な反論が挙がったとき、席上の議論が一気に沸騰した。
 損得で言えば確かにその通りだが、“神聖帝国”を名乗るヴァルキュリアにとって領内を蛮族に好きにされるのは耐え難かった。それに、マローダーたちは文明国の国民を奴隷として大量に拉致するという。誇り高い戦乙女が蛮族なぞにそんな扱いを受けるのは許せない。戦乙女を奴隷にしていいのは、ヴァルキュリアの神帝と貴族たちだけである!
 刃傷沙汰一歩手前の激論の末、最低限の艦隊戦力と地上軍だけをミッリアに残して戦争は継続し、主力のアメジスト艦隊は全速力で自国に引き返すことに決定した。

5.対ミッリア戦争終結
 ミッリア領に残されたガーネット艦隊と帝国地上軍は、開戦後に追加で請求権を取得した二アンダー星系と惑星スキアプ・アンを加えた9星系・4惑星の占領を、翌2255年11月中に無事完了した。
 帝国外務省が和平の特使を送る直前に、ミッリア逃亡政府から請求領域すべての割譲を認める通知がなされた。事実上の降伏である。
 2255年12月9日。ヴァルキュリアにとって初の征服戦争は、ここに集結した。
対ミッリア戦争終結.jpg
 栄光あるこの日は、輝かしい勝利を語り継ぐための新たな祝日として制定されることが決定した。
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