SSブログ

「ヴァルキュリア戦記」7 [Stellaris AAR]

続く争乱(2256~2260年)

1.襲来のテバゾイド
 ミッリアとの和平が成立したすぐ翌月、テバゾイド略奪艦隊がヴァルキュリア神聖帝国領域に侵入した
 その陣容は、巡洋艦2、フリゲート艦6、レイダー艦12。文明国とは基本設計から異なっている艦船が大半なので正確なところはわからないが、軍情報部の分析によると戦力評価値4,300強だという。これは、ヴァルキュリア主力のアメジスト艦隊の1.1倍ほどの戦力に等しい。
 勝ち目のない相手ではない。
テバゾイド襲来.jpg
(提督は「フェチの息子 サブ」。日本人には親しみのわく名前だ。)

 しかし、頼みのアメジスト艦隊はいまだ長い帰路の途上にいた。本国の中心部までたどり着くには、あと400日以上の時間がかかる。
 略奪艦隊は、惑星オーディンを目指しているとみられている。アメジスト艦隊が到着するよりもずっと先に、連中はあの惑星の軌道にやって来て悠々と略奪を始めてしまうだろう。戦乙女たちは一様に動揺し、「蛮族に拉致されないように、オーディンの住民を別の惑星に残らず強制移住させるのはどうか?」という、費用を度外視した無茶な提案まで持ち上がったほどだった。

 だが、無防備と思われたヴァルキュリア領域に、蛮族どもの進路に立ち塞がるモノが1つだけあった。
 北東要塞である。かつての仮想敵国ヤル連邦への備えとして、20年以上前にシプリム星系に建設されていた宇宙軍港と防衛プラットフォーム群だ。
 その戦力評価値は、実に4,100。敵艦隊にわずかに及ばないが、この際、時間稼ぎになりさえすればいい。
 2256年2月26日。北東要塞は、シプリム星系に侵入したテバゾイド略奪艦隊と交戦を開始した。
20180913125653_1.jpg
 交戦の結果、9基の防衛ステーションは意外な脆さを露呈して早々と全滅したものの、総合射撃管制システムと中口径砲8門を備える宇宙軍港が、粘り強さをいかんなく発揮。
 完全に無力化されるまで4ヵ月も激戦を続け、敵の大型艦のほとんどと小型艦の半数を撃破する大戦果を挙げたのである。
20180913130116_1.jpg

 そして、2256年10月・・・。
テバゾイド撤退.jpg
 大損害を被ったテバゾイド艦隊は略奪を諦め、この神聖なる帝国の領域から立ち去って行ったのである!
 ヴァルキュリアに、ようやく平和が訪れた瞬間であった。

2.占領地政策
 隣国への侵略成功により、領有する居住惑星が4から8と一気に倍になったヴァルキュリア神聖帝国。これは、異質な思想を持つ敵対的な異星人が、大量に帝国臣民に加わった事も意味している。
 ヴァルキュリアが取り込んだミッラン人popの数は26、全人口の33%をも占める。そのほとんどが物質主義者で、精神を重んじる我々とは正反対の文化だ。
 「異星人はすべて奴隷」という当初の方針どおり、ミッラン人は種族ごと奴隷身分と規定されたが、ごく一般的な「市場奴隷」よりやや権利が優遇された「戦闘奴隷」身分とし、相応の生活水準が与えられることになった。戦乙女の奴隷たちの生活水準が「貧困状態」なのに比べると、かなりの厚遇である。飴と鞭というワケだ。
20180913191606_1.jpg

 主星ヴァルハラから遠く離れた星系群に植民地を抱えたことで、ヴァルキュリア政府の統治能力は限界を超えたため、旧ミッリア領は「セクター(委任統治区)」として政府直轄地から切り離し、その統治を「イェファ=デン・メデ」総督に一任することとなった。
 イェファ=デン・メデは、この56年間ずっと直轄地の惑星行政を司ってきた内閣の重鎮であり、あと3年で100歳を迎えるベテラン行政官だ。常に元気溌剌とした健康的な女性であると同時に、冷酷な効率追求で奴隷たちから恐れられている人物でもある。
イェファデン・メデ総督.PNG
(「ハッスル鬼ばばあ」と陰口を叩かれることも。)

 宗教という不条理な考えに囚われた異種族に征服された挙句、その奴隷にされた無数のミッラン人たちは、惑星ミッリアの宮殿に乗り込んできたこの老総督の統治をすんなり受け入れたりは、勿論しなかった。
 旧ミッリア領セクターの4惑星すべてで社会不安が増大し、過激化した大勢のミッラン人たちが各地に集結して、大規模なデモを行った。
 この事態を鎮静化させるために、ラトゥⅠ世の御名の下に各惑星に戒厳令が布告された。鎮静化は一時的なものだが、すでに全惑星で大規模な奴隷処置施設と陸軍駐屯所の建設が始まっており、これらが完成すればミッラン人たちに反抗を一切許さぬ警備体制が確立するだろう。
 ヴァルキュリアにとって、奴隷の扱いはお家芸なのだ。

3.イデオロギー戦争がもたらした変化
 我々だけさっさと和平してしまったのでつい忘れそうになるが、2251年に始まった桜ケ丘高校けいおん部とミッリア星域とのイデオロギー戦争は、いまだに続いていた
 けいおん部軍の侵攻はすでに最終段階に入っていたが、ミッリア星域は唯一残されたアシュミナーリ星系に立て籠もり、頑強な抵抗を続けていた。女子高生はなにせ貧弱な平和的種族なので、アシュミナーリ星系の惑星スヴェルン・ヴェを死守するわずかなミッリア人防衛軍との地上戦に、ひどく手を焼いているらしかった。

 戦争がついに6年目を迎えた、2257年7月。驚くべきニュースが飛び込んできた。けいおん部政府は、その統治志向から平和主義を捨て去り、代わりに平等主義の思想をより先鋭化させたというのだ。
改革後のけいおん.jpg
 長引く戦争状態のせいで国民議会内の平和主義政党が存在意義を疑問視されて弱体化し、その議席を奪った平等主義政党「完全賛成運動」が政府を支配したらしい。
 けいおん部政府の志向転換を知らされて、ヴァルキュリアとしては苦笑するしかなかった。けいおん部が始めたこのイデオロギー戦争は、もともとミッリアの軍国主義政府の支配からミッリア人を解放して、平和主義国家に作り替えるという目的だったはずなのだ。その当事者が戦争のせいで肝心の平和主義を捨て去ってしまったというのは、皮肉としか言いようがない。
 
 その政府改革からさらに2年後の、2259年5月。とうとうミッリア星域はけいおん部に全面降伏した
 ミッリアの上級女王スヴⅠ世とその王室は追放されて伝統的な王政は終焉を迎え、種族によっても一切差別されない普通選挙で選ばれた大統領が統治する「ミッラン国民連邦」に生まれ変わった。
 けいおん部ゆずりの狂信的平等主義を掲げる彼らミッラン国民連邦は、困ったことに誕生当初から奴隷君主制である我々ヴァルキュリア神聖帝国をあからさまに敵視してきた。これは思想的な対立と同時に、我ら戦乙女族が武力によって彼らミッラン人から多くの領土と国民を奪って奴隷にしているという事実に由来する種族的な対立でもあった。政体が変わろうとも、過去の恨みは消えてくれないのである。
 ミッラン国民連邦は、解放者であるけいおん部と友好国であるはずの我々を、公然と宿敵宣言。売られたケンカは買うのが信条の我々が宿敵宣言をしかえすと、今度は我々にとって古くからの宿敵であるヘルヴァン連邦制コロニーズ(科学ダチョウ)と「対ヴァルキュリア軍事同盟」を結成! 2国協調して我々に刃向かう姿勢を明確にしたのだ。
20180913230048_1.jpg

 ヴァルキュリアにとっての平和は、そう長く続きそうもない情勢となってきた・・・。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。